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HISTORY

1993

ギター演奏から音楽の世界へ

ちょうどバンド活動が盛んな時代。様々な音楽が溢れ、ライブハウスでは連日複数のバンドの演奏があり、ライブハウスから音楽業界へデビューするバンドもたくさんありました。そんな音楽業界にとても活気があった学生時代、ギターを弾くことを覚えバンド活動に明け暮れ、音楽にどっぷりと浸かる日々を過ごしていました。そうして次第に音楽への興味と関心を深めていきました。

2000

演奏者の力になりたい、その思いが制作の始まり

卒業後、就職をしてからは仕事に忙しくする毎日が続きました。そして次第にバンド活動は少なくなり、自分でギターを弾いて舞台に立つことはなくなっていきました。代わりにライブを聴きに行くことが多くなりそのうち知り合いのバンド活動をサポートする仕事が回ってくるようになりました。本当に上手い演奏者に長く演奏を続けてもらいたい、と応援する気持ちが強かった私は自分ができることならなんでもやろう、という思いから、音響機器のセッティングや調整から   などの音響機器を弾く人のオーダーに合わせて作るということまでするようになっていきました。

2003

生演奏の感動を、自宅で味わえたら

年齢とともに仕事がだんだんハードになってきた頃、仕事の疲れを吹き飛ばすようにライブハウスへと通い続けました。ライブハウスで聴く演奏はいつも自分の心と身体をリセットしてくれました。そして「明日もまた頑張ろう。」という気力と活力を与えてくれるのでした。いつしか私はそんな感動をくれる演奏を自宅で毎日味わいたいと思うようになっていきました。

それからは休みの度に高級スピーカーといわれるものや話題のスピーカーなど様々なものを試聴して歩きました。しかし残念ながら自分が求めている“生演奏の感動を感じる音”を再現できるスピーカーには出会えませんでした。そこで私は「生演奏の感動を伝えることができるスピーカーを作ろう」と思い立ちました。そうしてこの思いが千万音の音づくりの原点でとなっていきます。

2004

データ計算(数値)の世界にあるオーディオ、それは求める音とは違った

「“生演奏”とは何か。」と考えながらオーディオ関連の資料・文献を集め始め、当時まだネット上では十分な情報が得られなかったため絶版になった本や古い雑誌など様々な資料を読みあさり、スピーカー研究を深めていきました。次第に、データ計算(スピーカーの設計にはデータの計算が必要。)をしつくした世界の中に自分が再現したい音があるのではないかと思うようになり、仕事の合間をぬってはスピーカーデータの解析と設計のための計算を繰り返しました。それをもとに色々なスピーカーユニットを使って制作を続けましたが、“データ計算(数値)で良い音が作り出せる”という考えに基づいたやり方では、自分が求めている「感動する音」にはほど遠いものしかできませんでした。

2005

発想の転換~「材料ありき」から「音に合わせて素材を選ぶ」へ

“生演奏の感動”を伝える音色を求めて繰り返し試作を重ねた結果、「素材が違うと音色が違う」ことがわかってきました。そこで今まで材料ありきだった制作方法を「出したい音に合わせて材料を選ぶ」という逆の方法に転換し、良質の木材と出したい音に合わせた良質のスピーカーユニットや電子部品を選び、それらに合わせた設計を組んで試作を続けました。すると驚くことに音色が劇的に変化したのです。今までとは比べ物にならないくらいの素晴らしい音色が出せ、これだ、とようやく自分のやり方を確信できるところまで辿り着くことができました。

「木材が違うだけでも音が変わり、小さな部品や配線材を変えるだけでも音をより良質なものにできること」「音色を一番に考えた素材選びこそが求める音色への近道」このふたつのことは大変大きな気づきであり、その後の千万音のスピーカー制作の基礎になりました。

2006

響きのよい「楽器用の木材」を使い、生演奏の再現を目指す

色々な種類の木材を使ってスピーカーを制作するうちに、高級な木材だからいい音が出るというものではなく安い木材でもいい音が出るものもあるという事実に直面し、それはどういうことなのかと疑問を持つようになりました。試行錯誤を繰り返し、音を良くするには楽器用木材が適しているのではないかと考え、楽器用木材を使ったスピーカー制作を始めます。

2007

良質の木材と出会うために~木材の「響き」と「音」を聞きわける感覚が必要

そんなある日、楽器用の木材を買い付けに出向いた際にバイオリン制作家と出会い「木材の選び方」について教えてもらう機会に恵まれました。それは「楽器用の木材を一枚ずつ、端から端まで叩いて響きと音を聞き、良く響くものだけを選ぶ」というものでした。

その話を聞いた時「これなら自分もできる!」と思いました。というのも幼少の頃、薪風呂を沸かす役目だった私は毎日薪割りをして過ごしていて、その時にいろいろな「木材の音」を聞いていたからです。幼い頃に培われた感覚は大人になっても自分の中に沁み込んでいたので木材の音を聞き分ける、という自分の耳の感覚を信じて木材を選び抜く行為はそんなに難しいことではありませんでした。

2008-2011

楽器づくりの技法で、スピーカーをつくる、という新しい発想

楽器用木材の中から響きの良いものを選び抜いてそれをスピーカーに使うようになり、以前にも増して音が良くなっていました。しかし自分が求めている“生演奏の感動”を伝える音色に辿り着くには材料を変えるだけではダメで根本的に何かを変えなければならないという思いがずっと頭にありました。そこで制作方法の転換を思いつきます。一般的なスピーカーの制作方法に倣っていたのをやめ、楽器用木材で楽器作りの技法を取り入れて作ってみることにしました。

楽器制作の方法について学び直し、実際に楽器を制作してその技術を身に付け、スピーカーへの応用方法を考えました。そして材料・制作方法ともに楽器作りの要素をふんだんに取り入れたスピーカーが完成します。このスピーカーから流れる音色を聴いた人たちからは「目の前で生演奏を聴いているようだ。」と、とても高い評価を受けることができました。

2012

葛藤を乗り越える、楽器制作家との出会い

確かにこれまでに作ってきた数々のスピーカーに比べると比較にならないくらい良い音色が出せるスピーカーを作ることができました。しかし自分では納得がいかず、「自分が求めるものはもっと違う。作りたいものはこんなものじゃない。」という思いが強く、音を聴く度にスピーカーを叩き壊したい気持ちになっていました。もっと自分が求めている「感動する音」が再現できるはずだ、という思いを抱えながら悶々と制作を続けていた折、ギターとバイオリン制作家の方と知り合う機会に恵まれました。

そして直接、楽器の制作方法や材料、道具などについて教えてもらいました。楽器制作の技術のみならず制作への信念など、つくり手としての精神的な面のことも含め多くのことを吸収し、改めて自分のスピーカー制作に向き合うこととなりました。

2013

辿り着いた答えは…楽器制作の技法で、楽器をつくるように、スピーカーをつくる

これまでの経験をもとに、楽器をつくる木材と楽器作りの技法で、楽器を作るのと同じようにていねいにスピーカーを作る、というやり方でスピーカー制作を重ね、ようやく自分が納得できる良い音色が出せる「楽器スピーカー Vione」が完成しました。それはまさに自分が求めていた「生演奏の音」「感動する音」を出すことができるスピーカーでした。

現在

終わることなき、音への追究

もっともっとスピーカーの音を生演奏の音に近づけることーそれはこれからもずっと追究し続けていく千万音の目標であり、夢です。

これまでの様々な人たちとの出会いや制作上の経験から、生演奏の再現には音源(CD等)の質が重要だということもわかってきました。スピーカーの研究とともに演奏者や録音技師など音源の制作に関わる人々とも協力できれば、今よりももっと生演奏に近い「感動する音色」を再現できるだろうと考えています。

音楽を糧としている人々へより多くの活力や感動を伝えられるような、今よりももっと「感動する音」を奏でるスピーカーを作るべく研究と制作を続け、千万音はこれからも進化していきます。

千万音のスピーカー

Vione

ヴァイオリンの制作に用いられる技法や材料にこだわり、楽器そのものの響きを追求したモデル。

Ittai

インテリア性と音質を両立させた、スピーカーとアンプの一体型モデル。暮らしのすぐそばに。

Cu-be

最小限のサイズに最大限の音を。映画やライブの臨場感をいつでもどこでも持ち歩けます。

2Way

バランスのとれた音色。どんな曲も、心地良く、あなたの胸に響く音をお届けします。

オーダーメイド

世界でただひとつ。あなたのためだけのスピーカーをお作りします。

千万音をもっと知る

Concept

生演奏の感動がそのまま伝わるスピーカーを。全ては世の中にないスピーカーを作りたいという想いから始まりました。

History

こだわりのスピーカーを追い求めて15年。多くの試行錯誤と進化を繰り返す、私たちの音作りの歴史をご紹介します。

Profile

千万音のスピーカーはひとつひとつ職人のハンドメイド。制作からアフターケアまで、私たちが心を込めてお届けします。

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